タツノコプロ

社員インタビュー

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スタッフインタビュー
大松さん×満田さん×武田さん

2019年より育成で参加してくださっている満田さんと武田さん。現役のアニメーターでもあるお二人に教育の大切さ、またタツノコプロが目指すクリエイターのチームについて聞きました。

Question | 01

―― 教育の大切さ/教育者としての成長

Answer | 01

満田:
正しく指導することによって一人前の原画マンになるまでの時間を縮められることに気づけたのが、自分にとってもすごく大きかったと思います。自分で課題を見つけていけるタイプの人は、少しの指導で上手くなっていくんですが、誰にも教えられず、自分の弱点を補えないまま、年数を重ねていってしまう人もいる。自分が指導にあたって気を付けているのは、弱点に気づいてもらい、改善に導くこと。それは、すごく意義があることだなと思います。

アニメーターは、色々な仕事がしたい、上手くなりたいというのが目標にあると思うので、指導する立場を目指して仕事をしている人は少ないと思いますが、僕はキッカケがあって新人の方たちを見ることになりました。長年の経験で、その人に今、何が足りないのか、どうすれば改善できるのかというのを伝えることができて、今考えると向いてたんだなっていうふうに思いますね。自分が教えることや費やす時間に対して苦じゃないというのがすごく大きくて。いつでも何でも聞いてねっていうスタンスでずっとやってきたんですが、それが今のところ上手くいってる事が多いです。教えることで自分も再認識できたり、刺激をもらったりもしていますね。

武田:
私は、原画になる前の段階、動画としての技術の育成を主に考えていたんですけれど、新卒採用で入社する動画マンは社会人一年目でもあるので、指導する上でも大きいことかなと思っています。技術だけじゃなくて、社会人としての人格が育成されるところでも半分はあるのかなと思っています。とはいえ、動画という工程を通して学ぶことは、原画に対してもすごく大きいので私が最初に想像していたよりも、教えることは多いなと最近思っています。(笑)あとは、私もいつでもウェルカム、何でも聞いてっていうスタンスでやってます。
   
1年目も5年目も変わらなくて、仕事に対する態度も含めて教わることもあるし、練習することの楽しさを思い出せるというか、私自身、すごく大きなフィードバックをいただいてると思います。

Question | 02

―― チームの雰囲気とアニメーターの成長

Answer | 02

大松:
本当に、育成は「誰が教えるのか」に尽きると思ってます。当社の一番大きいアドバンテージでいうと、やっぱりお二人がしっかり見て、育成してくださる環境があることだと思うんですが、二人から見て当社の特徴というか、雰囲気はどうですか?

満田:
素直な方が多いし、真剣に向き合ってる方が多いですね。そういう意味で、雰囲気はいいなぁと思います。

武田:
みんな、アニメーターになりたくて、絵が好きで…好きで真剣にやってるという印象がすごく強いです。個性はあるんですけど。「素直」って、言う事を聞くってことだけじゃないですからね。

満田:
そうですよね。

武田:
自分のやりたいことに対して真剣。

大松:
確かに、本当にみんな一生懸命だし、素直だしっていうのは、すごく思いますね。その分、すごく成長が早いという印象もあります。みんながどんどん成長していくことに対して、どんな思いですか?

満田:
僕の仕事は、例えば、みんながレールの上を走っていて、そこを外れてしまいそうになった時に、戻って、また走り出してもらう。そのようなイメージを持って指導しています。タツノコプロに入ってきてくれた時点で、みんな「上手くなりたい」「いいアニメーターになりたい」って思ってくれているので、僕が思ってた速度より、ずっと速く上手くなっていってくれています。

武田:
1年目のアニメーターに対しては、まず一緒に走り出すこと。あとは、なるべく長く楽しんで走っていけるように、走り方を教えるイメージです。上手くできなかったり、横道に逸れたり、進み方が分からなかったりとか、そういうときにサポートする、一緒に進んでいくっていう感じですね。

大松:
『Turkey!』を通して、9年間の育成と結実を実感しています。本当に、当社でアニメーターのキャリアをスタートさせた方たちが、非常にいいお仕事をしてくれました。極端なことを言うと、スタジオの実力は、言ってみればアニメーターの数と質みたいなところがあると正直思っているんですよね。ようやく、数や実力的な部分で花が開いてきたという印象があります。さらに、まだまだここから伸びるだろうし、期待しています。彼等の可能性をどのように見てますか?

満田:
作品を引っ張る立場になっていってくれるんだろうと思います。キャラクターデザイン等も任せられる方がいたら、逆に自分が支える方に回ることも考えてます。ローテーションできればいいなと思いますね。作品や絵柄によって適任の方が引っ張っていく。

武田:
先ほど『Turkey!』の話もありましたが、チームとしてのまとまりを持てて来たと感じています。全体のスケジュールもそうなんですけど、チーム全体への影響を考えて行動できているなぁと。

満田:
育成という意味では、一人一人がしっかり上手くなることを重視していたのですが、日常の仕事の中で自然と上の世代が下の世代を気にかけて、自然とチームになってきた。

武田:
もちろん仕事以外で交流する機会もあります。交流の場や日々の小さい事の積み重ねで本人達の中にチームの意識が芽生えていることがうれしいですね。みんなでひとつの作品に取り組んだ経験から相手の顔が見えるようになり、チームの意識が生れてきたと感じています。

大松:
慣れ合いではないチームワークの良さは、僕も『Turkey!』すごく感じていました。先輩が後輩を気にかけたり、声をかけたり。作品に関しても、「このパートで自分が頑張らないと」「頑張れば作品が良くなるんだ」みたいな、彼らの中から自覚が湧き上がる意識を感じていました。それが、本当にフィルムにも現れていた感じがしますし、非常に頼もしく思いました。今、このインタビューを読んでいただいている方には、改めてチームワークの良さをお伝えしておきたいと思いますね。

Question | 03

―― これからのタツノコプロ

Answer | 03

満田:
僕は、フリーランス(アニメーターとしての働き方)全盛期の時にアニメーターになっているので、会社を支えることも大事なんだけど、会社の外に出た時には、自分が参加したアニメに力を注いで、その作品が終わったら、また関わりたいアニメを見つけて、そこで作業していく。そういうアニメーターの在り方に全く否定的ではなくて、教え子がそういう道を選ぶことにも、否定的な事はほとんどありませんでした。ですが、最近ちょっと考え方が変わってきました。それは、タツノコプロ自体をさらに、アニメーターが関わりたいと思ってくれるような作業環境、アニメ作りが出来るように努力をしていく。それが、自分にとっても教え子にとっても、結果的にタツノコプロが満足を得られる場所になっていけるんじゃないかと思っていて、僕自身もみんなで支え合う意識が、強く芽生えてきています。

大松:
アニメ業界は、80年代以前は基本的に社員が多かったけれど、僕が業界に入った2000年代は社員ではなくフリーランスが多かった。改めてスタジオが一枚岩でやっていく、そういう時期がまた来たのかなって印象があるんですよね。離合集散でスタッフ集めをして解散してみたいな、それはそれで良さはあるんですけど、人の成長を見ていくことも、ずっとやりたいと思っていたことなので、今のチームはすごく理想的だなって思います。時代は常に変化しているのでそれを踏まえ、アニメーターにとってできるだけ良い環境を提供できれば非常に嬉しいです。満田さんがおっしゃったように、チームでどこまで上がっていけるか、いい作品を作っていけるかを目指していきたいですね。

満田:
みなさん、タツノコプロに入ってきた時点で何がしかの武器を持っている。その武器が生きれば本人も楽しいと思いますし、作品にとっても良いですよね。ですが、自分が持っている武器以外にも、たくさんのスキルを身に着ける必要があります。その人が持っている武器を尖らせながら、強みにしながら、自分の弱点になる部分は、逃げずに補えるようになって欲しいですし、自分もそういうふうに指導をしています。

武田:
「楽しい」というワードが出ましたが、本当に、長く長く続けてほしいんですね。長くやっていれば上手くもなっていきますし、楽いと様々なことができるようになるから楽しくもなってきます。じゃあ、長くやるためには、どうして行ったらいいん
だろう?っていうところなんですけれども。やっぱり大変なことも多いので色々と考えることも出てくるんですけど、仕事としてアニメーションを作るうえで、自分が楽しいと思えれる部分、人からいいねって言われなくても、自分が楽しいと思えるポ
イントがあれば、それを追いながら仕事を続けていけるよっていう話をするんです。だから、楽しい部分探してねって。仕事として楽しむ、長く続けていくというのは、非常に大事なことです。

大松:
長く続けることでよりみなさんの魅力も分かってくるし、お互いの信頼感を醸成できますよね。

Question | 04

―― クリエイターとしてのキャリア・理想のチーム像

Answer | 04

満田:
動画はキャリアを形成する上で、やっぱりやった方がいいと思っています。以前の現場で、「動画をやってないからここがどうなるかわからない」っていう方が多かったんですよ。それでもしっかり描ける人はもちろんいるんですけど。動画と原画は工程的につながっているので、動画を理解しておくこと、アニメーターとして最初の一、二年を使って理解しておくっていうのは、全く無駄にならないと、強く思います。同じように、紙と鉛筆で作画作業を経験することも大事だと思っています。最終的にはデジタルツールを主軸にする場合も、これまで過去のアニメはどのように作られてきたのか、理解して経験しておくことは重要だと思ってます。

大松:
動画というアニメの基礎をちゃんとわかっていれば、どんなキャリアパスを行くにしても非常に有効であるっていうことですね。演出行くにしても、やっぱり動画のこと分かってた方がいいですよね。

武田:
動画は、動画という作業だけを指しているわけではないんです。作画における最後の工程を経験することで、「作画の素材」が十分なのか間違ってるか、その判断ができるようになる。こうした経験、経験値を積むことが重要だと思っています。指導の中でも、技術だけではなく、その後の判断も自分でできるようになることを意識しています。

大松:
タツノコプロのキャリアパスは多岐にわたっていますが、満田さんと武田さんには、本当に基礎の部分を大事に教育していただいています。だからこそ、その後は様々な分野、様々な道で頑張れるということですね。

満田:
本人の行きたい方向と実力があれば、キャリアの希望に制限はないですよね。

大松:
ないですね。やっぱり本人がどうなりたいのか、モチベーションがあるのかが、僕は一番大事だと思ってますし、背中を押す土壌もある。ということは、伝えたいです。

武田:
1年目の時に聞いていた希望を、実現している人が多いのは事実です。それは本当にびっくりしています。

満田:
動画・原画マンが徐々に育ってきている環境にありますが、その先の作画監督からメインスタッフになる方にも育っていって欲しいです。一方で、地盤を固めることも必要なので、チーム内で作画の全行程を支えられる環境を作ることが理想です。結局は、作品に対してもよい影響が出ると思っています。

武田:
採用できる人数は決まっていますが、採用と育成を積み重ねて、満田さんがおっしゃっていた形のチームになれたら強いですし理想ですね。

Message

―― タツノコプロを受けたいと思っている方にメッセージ

満田:
タツノコプロは、オリジナル作品も多くて、楽しい作品、面白い作品をたくさん制作してきました。今後はさらに、アニメーターが参加したいと思ってもらえるような作品作りをしたい、そういう気概がある制作スタッフがどんどん増えています。若人から見ても、楽しい作品づくりができるスタジオになっていくと思っています。ぜひ、力を貸して欲しいです。

武田:
そういった作品を作っていく上で、入社してから真剣に取り組める環境がある。周囲も真剣に取り組んでいるという環境が、仕事をしていく上で楽しめることにもつながると思います。一緒に楽しみながら作品を作っていけると嬉しいです。

大松:
僕からも付け加えるというと、本当にお二方にしっかり指導していただける環境があることが、すごく幸せなことだと思っています。それは強調して伝えたいですね。本当に若いスタッフたちが「何を聞いても、どのタイミングでも、お二人が丁寧に教えてくれる」と、口を揃えて言っています。本当に、育成に関して素晴らしい環境だと思います。僕もプロデューサーの一人として、みんなと熱心に楽しんで取り組めるような仕事をチョイスして、みんなと一緒に成長していきたいなと思っています。不安はあるかもしれないですが、ぜひ、僕たちの胸に飛び込んできて欲しいなと思います。